2026.01.15NEW
確かな加速を続ける西野太翔、静かなる自信
●フィギュアスケートスポーツビューティ事務局
12月の国立代々木競技場・第一体育館。
全日本選手権という舞台を経験し、ジュニアながら確かな存在感を刻みつけた西野太翔選手は、その延長線上にある「メダリスト・オン・アイス2025」の氷上に立っていた。
「いい経験をした一年だと思っています。成長もあったんですけど、新しい課題も見つかった一年でした」
淡々とそう語る口調は、冷静さを帯びている。今季、ISUジュニアグランプリシリーズを戦い抜き、全日本フィギュアスケートジュニア選手権では準優勝。結果だけを並べれば、順風満帆と言っていい。しかし本人の視線は、常に“次”に向いている。
大舞台に立てば、誰しもが緊張と向き合う。ましてや代々木のような大観衆の中での演技は、ジュニア世代にとって特別な体験だろう。
「会場がすごく大きくて、緊張はちょっとありました。でも、最後までしっかり滑りきれたのは良かったです」
緊張を消そうとはしない。ただ、「絶対大丈夫」と自分に言い聞かせて氷に入る。
「(試合の直前は)身体を叩きます。気合を入れるイメージです」
ジュニアグランプリシリーズでは、手応えもはっきりと感じていたという。
「グランプリは、全然いける自信しかなかったです。練習をしていても、感覚的に『これいけるな』って」
ジュニアグランプリファイナルでは思うように身体が動かなかった。成功と失敗、その両方を経験しながら、彼は成長を続ける。海外遠征も、すでに特別なものではない。環境が変わっても、ルーティンは崩さない。
「試合前に、ホテルの部屋を必ず掃除します。清掃員の方も楽だと思うので。いいことをして徳を積む、みたいなイメージです」
日本でも海外でも変わらないその習慣は、競技に向かう心を整えるための儀式のようだ。
技術面では、4回転ジャンプへの向き合い方にも変化があった。
「最近は、前の選手が終わって、氷上におりて自分の名前をコールされる前に、
軽く2回転ジャンプを跳んでアップしてから、スタートポジションにつくと、本番で4回転の成功率が上がった気がします。成功するかどうかは、踏切でだいたい分かりますね」
失敗しても引きずらない。「この後もジャンプはあるから、絶対いける」と切り替える
成長期にある身体の変化について聞くと、身長は伸びているが「そこまで苦労はない」と言い切る。変化を恐れるより、受け入れて前に進む。その姿勢は、演技後の振り返りにも表れている。
「一旦、無になります。そのあとで、ちゃんと反省して、次に生かす」
感情をリセットし、技術的な反省はコーチと二人で細かく詰めていく。
自分はどんなスケーターかと問われると、答えは明快だ。
「スピードが持ち味だと思っています。それを生かしたスケートが自分らしい。観客にも、それを見せられたら一番楽しいです」
リンクを降りれば、ごく普通の高校生だ。友人とゲームや授業の話で盛り上がる時間が、競技とは切り離された日常をつくる。通信制高校を選び、練習拠点の横浜でスケートを最優先にした生活を送り、「今はスケートをやる生活」だと迷いなく言い切る。
ドリームオンアイスでは、コーセーのメイクルームでメイク体験をした。
メイク後の自身の顔と鏡で向き合ってひとこと、「おもしろいですね」
「メイクは初めて」という彼だが、スキンケアはすでに日常のルーティンだ。お風呂上がりに化粧水を使うことは、「もう当たり前」になっている。「最近は雪肌精を使っています」
そして視線は、次の舞台へ。
「世界ジュニアでは、ショートもフリーも、絶対に揃えたいです」
言葉は多くない。だが、その静かな決意は、スピードに乗って確実に氷上へと現れる。
西野太翔選手は今、ジュニアという現在地で、確かな加速を続けている。
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